オタクメモ

日々忘却

【BL】井戸ぎほうさんの『夜はともだち』の感想

2014年とか2015年とかに買った本なんですけど

久しぶりに読んだら本当に、本当に美しくて・・・

 

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こちらの御本を久しぶりに読んだらとても感動しまして

初めて読んだときのことを思いだしつつ、この感動を文字で残しておかなくてはと私はタイピングを始めた。

 

発売が2014年の12月なので、当時フォロワーさんにおすすめされて買ったんですけどそれがいつかは思い出せません。ですので、発売してすぐ買ってる、とは考えにくくおそらく年を跨いでる可能性が非常に高いです。

最初に読んだときは、ほーへーふーんなるほど。と思いました。

ただこちら、帯にもあるんですけど「ノーマル似非S×真性ドM」の物語でして、つまり軽くSMっぽい(軽く、というのはとても個人的な感覚なので参考にならないかも)内容になっています。

私はそういった内容の本が、言ってしまえば血とか好きなので(笑)そういうプレイシーンは大変好ましかった、以上って感想だけでした。

しかしこちら、スルメ商業誌になってます。2回目からが本番です。

・・・頭の良い人は1回目でもう感動できるのかもしれませんが私は頭が悪いです。

 

真澄くんと飛田くん、が物語の主人公です。真澄君が似非S、飛田くんがドMです。

何故似非かっていうと、まぁ紆余曲折ありまして飛田くんの性癖に付き合ってあげるところから始まります。真澄くんは本来血とか怪我とか苦手な人です。

でも飛田くんが困ってるから、ってことでSをやってます。

最初は二人ともちょっと距離感が特殊というか、そういうやることやってますけど友達としては全然遠くて

プレイ中と普段と、のギャップがすごい。飛田くんはドMだけど普段はいつもつまらなそうな顔して生きてます。だから真澄くんもちょっと距離感を掴めずにいるようなそんな違和感が最初の二人にはあります。

最初は淡々と、そこから真澄くんが色々葛藤してくわけです。

真澄くんも飛田くんと付き合うようになって(付き合う、というのは恋愛的な意味ではなく)色々変わっていきます。そして飛田くんも・・・

最初はそこそこの関心だったからこそ普段と飛田くんの性癖と、とうまく折り合いがつけられていたというか

でもだんだん、互いに影響を受けてうまくいかなくなっていきます・・・と、誰でも予想できる物語らへんまでは語っても大丈夫ですね?私は今これに目を通していて『夜はともだち』を読んだことがないって人にぜひ読んでいただきたくて書いているってところもあるので全部を書く気はありません不親切ですイエーイ。

 

まず2人、というかメインで語られるのは真澄くんの心境の変化なんですけど

最初はまぁアンダンテ、ゆっくり歩んでいきますが

読み進めていくとどんどん加速していきます。プレイ内容もそこそこ加速してきます(笑)

おそらく、引き込まれていくたびに読んでいるこちらの、胸の中の波紋といいますかそれが大きくなっていくんですね。あぁ切ない、切ない!!って

すれ違ってるんですもん、真澄くんの気持ちと飛田くんの気持ちが!

それがどのように着地するのか・・・ってのがラストなんですけど

登場人物のモノローグや会話、とくに難しいことはなくクセの強い比喩もなく

適当な言葉が思い浮かびませんが淡々としているというか・・・

だからこそ、うーんとか難しいこと思わず読めて私は好きです。あるじゃないですか、クセが強いとかまどろっこしいとかわかりにくいとか、そういった比喩って(笑)

ですがこの物語は、淡々とは終わりません。

読了後の感想は「なんて美しいんだ」です。私はですけどね。

途中まぁ、起承転結ですから転があるわけです。そこでちょっと濃くなりすぎた感情が濁ってしまうんです。でも最後はちゃんと、ちゃんと美しい色になります。私はそういう印象です。これこそ下手くそな比喩の良い例(笑)

 

作中、あまり語られることのなかった飛田くんの感情が垣間見えたとき

本当に美しい物語だって思いました。

いつも退屈そうな無関心そうな無感情そうなその奥で、飛田くんは何を思っていたか。そしてどう、最後は行動するのか。っていうところですよ肝は。

言いませんけどね!!!!!!!!気になるなら読んでね!!!!!

 

本当に、素敵な物語でした・・・

持ってる本の中でも、割と繰り返し読んでる方かと思うんですけど

また大分空いて読みたいなぁって読んだら泣きましたよね。

本当に美しい、あれこれ言ったところで

簡潔に、一言で感想を述べるなら「美しい」この言葉につきます。

SMとか血とか、私はそこまで過度じゃないと思ったんですけど

少しでも苦手意識があるならおすすめできません。

でもさして苦手意識もないって方にはぜひ読んでいただきたい。お願いします。

本当に美しいんですよ、美しい・・・夜空を見上げたくなる美しさです。